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雲の中の美幌峠は幻想的だけど、このままでは体もしけっちゃう。
予定では、摩周湖から阿寒湖へと進む予定でしたがここで変更して、このまま根室まで走る事にしました。
途中の別海町は、人より牛の方が多いんだと。
どこを見ても、広〜い牧場が続いています。
最初の天気の洗礼に、少々テンションが下がり気味だったその時でした。
ゆるい左カーブを曲がると、いきなり反対側の草むらがワサワサっと揺れて、白い水蒸気のようなものが舞い上がりました。
なんだ?
ガバっと後ろを振り向くと、路肩の下の草の間から、白い乗用車のお尻が見えました。
「お父さん、車落ちた!」
キキキ・・・
車をバックさせて、旦那さんが駆け寄って行きました。
まもなく、左に大きく傾いた車の運転席が開いて、作業服姿のお兄さんが出てきました。
(ここからは、旦那さんから聞いた会話)
「怪我してないかい?」
「いえ、大丈夫です。だけど、やっべえなあコレ。オレ、どうすればいんだべか」
「警察に連絡するかい?」
「あ、いえ、警察はまずいっす」
私も車から降りて、お兄さんの所へ行ってみました。
すると、作業服の腰のあたりが真っ赤に染まっています。
「あ!怪我してるう!」
「え?あ、ああ、これはペンキですよ」
「な、なあんだ、びっくりしちゃったしょや」
「すんません、携帯充電されてないもんで使えないんす、充電器持ってませんか?」
それより私の電話使って下さい!
時刻は朝の7時半頃です。お兄さんは会社へ電話をかけました。
「誰か、いるかなあ・・・・・・あ、もしもし!山田ですう。今シカが飛び出してきてさ、避けたら道路の下に落っこっちゃって。すんませんが助けお願いします」
あと数秒、私たちの車の方が早かったら、シカは私たちの前に飛び出したかもしれません。
特に朝は、シカ達も朝食の時間。見通しのよい牧草地まで降りてくる事も多くて、道路は彼らの横切る通り道でもあるのです。
「いやあ、どうも、有り難うございました。今、会社の仲間がやってきます。こちらにはキャンプですか?」
お兄さんは、ちょっと落ち着いたようです。いかったね。
それじゃあさようなら。
私たちは再び走り出しました。
でもね、ついさっきまで、下がっていたテンションはどこえやら。
そこの草むらからシカが飛び出してはこないかと、後部座席の私は、前のシートの背中にしがみつき、目の玉をまん丸くしながら偵察していたのでありました。
鹿の飛び出し、怖いんですよねー。
急ブレーキでなんとか衝突回避したことがあります。
鹿は無事でも車のほうがやられちゃうんで。
特急オホーツクに乗ってても何度か緊急停止したことがありますし。
鹿が普通にそこらへんで見られる自然ってまぁ素敵だとは思うんですが
適正数をすでに大幅に越えているので
森林破壊、農作物被害、交通事故と問題は山積ということも
知ってもらいたい現実です。<特に自然保護派に
もみじさんへ
ほんと、おっしゃる通り、私も、もみじさんの気持ちがよくわかります。
増え過ぎたシカ達は、どんどん人里に降りてきます。
実際に、そこに住んでいる人々の暮らしも、大事だと思います。